C夫婦の立件が見送られたのにはこういう経緯があったそうである。

 個人的意見として付け加えるが、実に不思議なことがある。C夫妻の事件当初の供述は実に曖昧で二転三転、コロコロ変わっている。これだけ供述が曖昧で、よくぞ警察の執拗な追及から逃れられることができたものだ。警察の事情聴取は過酷を極めるものらしく、よく冤罪 事件を起こしている。現に共産党が、赤旗紙上で学校に責任を転嫁するために、これ見よがしに取り上げた綾瀬母子絞殺事件は冤罪であった。最近では足利事件が冤罪となり、マスコミを驚かせた。

 下衆の勘ぐりではあるが、C親夫妻が警察のしつこいまでの聴取にどうして逃れられたのか。C家宅は敷地面積15坪、建築面積9坪あまりの安普請な建売住宅である。二階の騒ぎなど否が応でも階下に響く。また父親は薬剤師、母親は看護婦(師)という機を見るに敏でなければならない職業の人間である。彼らが二階のできごとに全く気がつくことがなかったというのは実に不可解で奇妙なことである。
 彼らが子供達が女性を監禁していたことを知らなかったとしても、嘘の供述をさせてしまうのが警察の尋問であるのに、どうしてこの夫婦は立件されなかったのだろうか。そのカギは、毎日新聞夕刊1989年04月20日号にあるとおり、当人たちに監禁の意思があったか、監禁の事実を知っていたかであり、そのことに矛盾のない答弁ができたのなら、警察は手も足も出ないと言うことなのであろう。

  週刊新潮 1989年4月13日号134ページにこんな一文がある。

 普通の親なら、子供が間違いでも起こせば、”申し訳ありません”と飛んで来るところだが、どうもそういう親ではなかったんです。家宅捜査の翌日から事情聴取しましたが、弁護士と相談の上応じているので、必ずしも警察に対しては協力的でない

 真相は藪の中であるが、誰かアドバイザーでもいたのだろうか。

 ちなみに、赤旗日曜版1989年5月28日(日)号によると、C家の弟が1989年1月末に傷害事件で捕まった時、父親は翌日には党支部に報告し、支部から弁護士の紹介を受けている。この綾瀬女子高生コンクリート殺害事件においても、C家の弟には四名の弁護士がついていた。判例として公開されている高裁判決文 にその記載がある。

弁護人は次の四名。
 
荒木雅晃、岡慎一、吉村清人、黒岩哲彦 、(敬称略)

 荒木雅晃氏のみ、弁護士養成所みたいなところの教官やっておられる。他3氏は自由法曹団所属。法曹団のサイトで各氏の名前で検索したら、各々のスタンスが分かる。この3氏はほぼ100%、共産党系の弁護士である。
 ちなみに週刊文春 1989年4月20日号によると、C夫妻の謝罪文は弁護士を通じて、しんぶん赤旗 にだけ掲載された。


 C家は両親とも共産党員である。共産党員には党規約という縛りがある。

 (一) 市民道徳と社会的道義をまもり、社会にたいする責任をはたす。

 にも関わらず、件が起こった年の夏から、子供達の非行は激しくなっていたのに、ちゃんとした対応策をとらなかったというのは、首を傾げざるを得ない。
現在、YouTubeに、当時テレビ放送されたこの事件の特集番組がUpLoadされている。
 
 検証!女子高生監禁コンクリート詰め殺人

 この動画より引用 する。

 なりよりも、C夫婦は子供達のためにどれだけ時間を取ったというのか。父親が早朝に職場周辺で配っていた数十部の赤旗配達を他者に任せたならば、子供達と一緒に朝食を共にする時間がとれたかもしれないし、少なくとも毎朝、子供達と顔を合わし、会話の一つでも交わすことができただろうに。
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 共産党は公安などの権力の監視対象になっており、組織防衛の観点から、このような家庭環境は権力に付け込まれる弱みとなりかねない由々しき事態で、早急に所属する支部に報告しなければならない事柄である。にもかかわらず党には梨の礫(なしのつぶて)で、C家父親が支部に報告したのは、C家の弟が一月下旬に窃盗で捕まった時が始めて。この夫婦は共産党員として明らかに規約に違反している。未確認であるが、Cの父親は地区委員(だった?)という。これが本当だとしたら、この夫婦の責任は限りなく重い。

 赤旗は、何度もこのC夫妻が、子供達の非行に対し、何らかのアクション を起こそうとしたという記事を載せているが、これだけの事態に際して、「起こそうとしました」の連呼というのは、なにもしなかったと同義であり、赤旗としては、記事の信憑性にも疑問を抱かせるに、十分すぎる醜態である。

 C夫婦は事件発覚後、赤旗紙面を通じて、何度も謝罪の言葉を述べている。

 だがどういうわけか、裁判では明らかに 前言を翻しているとしか、考えられない内容にトーンダウンしている。 トーンダウンというより、被害者を陵辱して遺族の感情を逆なでし、国民を小馬鹿にしているとしか思えない内容にである。


 そもそもC夫婦はどんな反省をしていたというのか。

 事件発覚当初から姿を隠したままで、被害者の両親に頭を下げるわけでなく、霊前に線香の一本も立てることもなく、赤旗に弁護士を通じて、無責任な離党届と、歯の浮くような綺麗事で飾られた謝罪文を掲載しただけ。何をか言わんやである。もっというなら、この夫妻の共産党に対する姿勢は、離党届ではなく、党の調査(査問)を待つための謹慎願いであったはずである。
 共産党は、赤旗紙上で「両親は、党員でしたが、事件後、本人の希望にもとづき日本共産党を離党しています。」と、共産党と、C夫妻との関係性がなくなったことをアピールしたが、なんという醜行か。面の皮が厚いのか、恥を知らぬのか、見ていて泣けてくる。公党として、この国の民衆に対して負うべき責任を放棄して、平然としているのだから。

 子供たちには憐れむべき要素が多々あるが、この親たちには同情するきになれない、ことができない。一人の人間として、共産党の党活動を、それも目先の党活動を優先するあまり、社会に対して負わなければならない責任を放棄し、挙句に子供達の人生を修復不可能までに狂わせてしまった愚か者だから。