「なぁ、ミノ…あのさ…  チャンミナの事なんだけどさ…」 「キュヒョニヨン… チャンミニョンがどうかしましたか? そういえば、遅いですね」 キュヒョンとミノの二人はキュヒョンの住むマンションの1室で ワインを飲みながら、仕事で遅くなると言うチャンミンを待っていた。 「いや…遅くなるとは言ってたんだけどさ…そうじゃなくて… あのさ…ユノヒョンとチャンミナってさ…」 「ヒョン、どうしたんですか?珍しく言いにくそうですね。 ユノヒョンとチャンミニョンがどうしたんですか? 相変わらず仲良さげでしたよ。2,3日前に収録でお会いしましたけど…」 「…うん…  なぁおまえから見て、あの二人どんな関係に見える?」 「どんな…って…東方神起以外にって事ですよね?」 「当り前だろ!そんな事俺が今さらお前に聞いてどうすんだよ」 「ヒョンの家だから、言ってもいいですよね?」ミノはキョロキョロと辺りを見渡し 「恋人でしょ?」と心もち小さな声で答えた。 「−−−あーーーー」キュヒョンは手を目に当てて、ソファに仰け反った。 「そうだよな…もう誰が見てもそう思うよな」 「誰が見てもかどうかは分かりませんけど、僕はこうやって ヒョンたちと飲むし、チャンミニョンの変化っていうか… そういうのも知ってるし…キュヒョニヨン…どうしたんですか? そんな事今さら…」 ミノは不思議そうにキュヒョンの顔を覗き込んだ。 「いや最近チャンミナが何かドンドン隠さないっていうか、隠し切れないっていうか あんなに洩れちゃってて、大丈夫なのか!?って心配になってさ」 「……  あの…ヒョンがそうおっしゃるなら、お聞きしますけど… やっぱりお二人は恋人なんですね?」 「……ミノならチャンミナも許してくれるよな… …そうだよ…恋人っていうか…教会でリングの交換もした… 真似事だけど、二人は真剣だったよ」 「え?そこまで?…さすがにそこまでだとは思いませんでしたけど、 やっぱりそうですよね…そうでなきゃ、あの距離感可笑しいですよね」 ミノはプッと思いだし笑いをしながら 「収録の時に挨拶に行ったら、広い楽屋でピッタリとひっついて 1つのスマホ見てましたよ。僕らが行っても驚く風でもなく、二人とも ニコニコ笑ってましたよ」 「そうだろ!この前何気にTV見てたら、そんな光景が映し出されてて、 その時はユノヒョンが慌てて、椅子に躓いたりしてたけど… おいおい!おまえら引っ付きすぎだろ!ってTVにつっこんだぜ、おれ」 キュヒョンは突っ込みのポーズをした。 「SMTなんかでもいつの間にか並んでるんですよね、 俺らあんな時並んだことないっすよ」 「そうだよなぁー並びたくもないよな!あんな時くらい。 …チャンミナ前は引っ付くの嫌がってたのに… ユノヒョンが来ても離れてたのにさー 何なんだろ?…今日泊まるて言ってたし、たんまり飲ませて 聞きだしてやろーぜ」 「チャンミニョン強いっすからねー。こっちが先にダウンしちゃいますよ 中々そんな事は言いそうにないし…」少し尻込みするミノにキュヒョンは 「二人でつげばいいんだよ!あーどこまで口を割るか楽しみだー 早くこないかなー」とキュヒョンはワクワクした様子でワインを口にした。 「どう?チャンミナ…うまくいってる?」遅れてやってきたチャンミンのグラスに ワインを注ぎながら、キュヒョンは聞いた。 「何が…?」チャンミンは最初の1杯を一気に飲み干し、低い声で静かに答えた。 ”こうしてると普通の男なんだけどなー”キュヒョンとミノはチラっと顔を合わせ 口には出さずに目で会話をした。 「これ旨いだろ?チャンミナが前に飲みたいって言ってたやつ買ってきたんだぜ 俺ら先に飲み始めたから、おまえしっかり飲めよ!」 「…  ありがとう…なぁTVつけていい?サッカーの試合やってんだよ」 そういいながら、テレビのリモコンを探すチャンミンに 「え!?あーまぁーいいよ… おまえ今日泊まれるんだろ?」キュヒョンは チャンミンのグラスにナミナミとワインを注ぎ、不満そうではあるが ワクワクした瞳でチャンミンを見つめた。 そんな事には全く気付かずにチャンミンはTVのリモコンをいじり サッカーの試合を捜した。 「ユノヒョンも先輩とこ泊まるって言ってたから、泊まってくよ」何気なく ボソリと答えるチャンミンに二人は食いつき、 「ユノヒョン!?おまえら別に住んでるのに、そんなの関係あんの?」 キュヒョンはワインの瓶を抱えて、いつでもつげる体勢で聞いた。 「あン?」チャンミンはイラっとした表情を一瞬見せたが 「別に関係ないけどさ」それだけ答えて、視線をサッカーの試合に移した。 「チャンミニョン、これ美味しいですよ!」ミノもキュヒョンに加担するように テーブルの上に散らばったポテチを勧め、ワインを注いだ。 「…何だよ…今日は二人共えらくサービスいいじゃん!」 「そんな事ないよ!な!ミノ!俺ら先に飲んでたからさ」キュヒョンは必死で言い訳 する。 「ふーん、そんなの別に気にしないけど…いつもの事だし」ポテチを口一杯に 頬張り、視線はサッカーの試合から外さずに答えた。 「おまえら、毎日今日はどこへ行くか確認しあってんの?」キュヒョンはサッカーの 試合からこちらへ引き込もうと聞くが 「…別に…今日はたまたま聞いたんだよ…」チャンミンは相変わらず のってこない。 「よし!行け!!    あ〜〜〜〜残念〜〜〜」チャンミンはサッカーの試合に 集中し始め、キュヒョンは ”仕方ない…試合終わるまで…待とう…”と思いながら、とりあえず ワインを注ぎ続けた。 「なぁミノ…新しくデビューしてきた、CCガール?一人めちゃくちゃ 可愛い子いるよな…知ってる?」 「あ!知ってます!知ってます!整形してないって噂ですよ! グラマーだし」 「…  リンちゃんだろ  …」チャンミンがボソっと呟き、 キュヒョンとミノは吹きだしそうになった。 「何だよ!チャンミナちゃんと聞いてんのかよ!しかもチェック済かよ!」 「興味のある話は聞こえるんだよ」チャンミンはニヤリと笑った。 「チャンミナ、グラマーな子好きだもんな…」キュヒョンがそう言うと 「男の本能でしょう」とチャンミンが答え、ミノとキュヒョンは顔を見合わせた。 ”そういうのは消えないんだ…” 「何だよ!何か言いたげだな!!二人して顔合わせて」チャンミンが怒ったように 二人を見ると 「だって…  おまえ…  なぁ…  ミノ?」キュヒョンがミノにふると 「やだな!キュヒョニヨン!!僕に振らないでくださいよ!!」ミノが慌てふためいて チャンミンから目を逸らした。 「言いたい事あるなら、はっきり言えよ!」随分と飲まされて酔って来たのか チャンミンは少し語気を荒めた。 「まぁまぁ、そう怒らずに。チャンミニョン、美味しいワインがまずくなっちゃいますよ」 ミノはそう言うと、またチャンミンのグラスにワインを注いだ。 「怒ってなんかいないけど!!グラマーな子気にして何が悪いんだよ」 「いや、チャンミナそこじゃなくて…じゃぁはっきり聞くけどさー おまえユノヒョンの事愛してるだろ?なのにグラマーな子の事は気になるんだな」 ブハー  チャンミンはワインを思いっきり吹きだした。 ゲホゲホ!!むせ返りながら、チャンミンは 「キュヒョナ!何言いだすんだよ!!」と汚れたテーブルを拭いた。 「悪い…チャンミナ…  ミノならいいかと思って… さっき教会の事、ミノに言っちまった」キュヒョンは相変わらずワインの瓶を抱えたまま チャンミンを見た。 チャンミンは一気に耳まで真っ赤になり 「おまえ…  そんな許可なく…  」しどろもどろにブツブツ言いながら テーブルを拭く。 「なぁーどうなんだよーチャンミナ〜教えてくれよ〜」キュヒョンもかなり 酔ったのか、フラフラと倒れそうになり、ろれつがまわらなくなっている。 「おまえらだって、彼女いても、綺麗な子やグラマーな子に興味あるだろ!! それと同じだよ!!」 「じゃぁおまえ男だけが好きなわけじゃないのかよ!?」 「違うよ!!俺は男なんか好きじゃねーよ!!」 「何言ってんだよ!チャンミナ…ユノヒョンバリバリの男じゃねーか!!」 「いや、まぁそれはそうなんだけど…ユノヒョンは別なんだよ!!」 「ユノヒョンの事は愛してるんだろ?おまえ教会でユノヒョンとキスして うっとりしてたじゃないかよ!!」キュヒョンは今までずっと心の中で モヤモヤしていたものを吐き出すように、チャンミンに向かいあった。 チャンミンはカッとなってキュヒョンに掴みかかったが ミノが止めにはいり 「チャンミニョン、落ち着いてくださいよ〜。キュヒョニヨンも〜 そんな事いいたかったんですかぁ〜?」 「…悪い…チャンミナ…  そんな事言うつもりなかったのに… ちょっと酔った」 「…ああ…  俺も掴みかかって悪かったよ」と二人でハグして ソファーに座りなおした。 「何だよ…  キュヒョナ…  何が言いたいんだよ…?」冷静にチャンミンが キュヒョンに聞くと 「最近おまえ、開けっぴろげだなぁ〜と思ってさ。大丈夫なのかな?って 心配になったんだよ」ソファーに深く腰を掛けなおした。 「開けっぴろげ?俺が?ユノヒョンじゃなくて?」 「あー。おまえもユノヒョンもだよ」 「うそ?俺も?」 「何だよ…おまえ気づいてないの?隠してるつもりだった?」 「…   ああ   …」チャンミンはショックで頭を抱え込んだ。 「チャンミニョン…僕もある意味ショックですよ… あれだけ、イチャイチャしてて、隠してるつもりだったなんて… 昔のチャンミニョンからは想像できませんね」ミノも驚いたようにチャンミンを見た。 「やばいな…茶々姫様の影響かな…」